パート1では、Azure無償アカウントを作成してAzureポータルにサインインできました。今回のパート2では Azure ポータル画面を使ってライブ配信サービスの設定を行います。
ライブ配信の手順
- 準備 – Azure 無償アカウントの作成
パート2
パート3
- Flash Media Live Encoder の設定とAMSへの接続
- Azure ポータル – ライブストリーミングのプレビュー
- Azure ポータル – ライブイベントの追加と開始
2. Azure ポータル – メディアサービスの追加
Azureポータルにサインインしてダッシュボードを表示します。画面左側のメニューで「+新規」をクリックします。(下図赤枠)
「新規」サブウィンドウのサービスカテゴリ一覧で「メディア+CDN」をクリックし、「メディア+CDN」サブウィンドウで「Media Services」をクリックします。(下図赤枠)
まず、「Media Service」サブウィンドウの「Account Name(アカウント名)」に、新規作成するメディアサービスの名前を入力します。(下図赤枠1)このサービス名は、ライブやオンデマンド配信を実行する際、ストリームURL文字列(AMSによって自動作成される)の一部に含まれます。ストリームURLは「http://メディアサービス名.streaming.mediaservices.windows.net/コンテンツ識別ID」のような文字列になります。AMSではライブ配信コンテンツを「サービス名>チャンネル名>ライブイベント名」 という階層構造で管理します。このうち、ストリームURLの一部に含まれるのはサービス名だけです。これらの名称の割り当てる例として、サービス名は会社名や団体名、チャンネル名はプロジェクト名や商品名、ライブイベント名はイベント名称などが考えられます。
「Subscription(サブスクリプション)」は「無料試用版」のままにします。(下図赤枠2)
次の「Resource Group(リソースグループ)」は「新規作成」を選択します。(下図赤枠3)
また、リソースグループ名に適当な文字列を設定します。(下図赤枠4)リソースグループとは、Azure上で使用するサービスやリソースを管理するためのグループです。関連性のあるサービスやリソースを一つのグループにまとめておくことで、セキュリティ設定などを一括で構成することができるようになります。ここで設定するグループは、新規に作成されるメディアサービスと、これに関連付けられたストレージリソース(オンデマンド配信用メディア等の保存場所として使用される)をまとめて管理するためのものです。
次に「Location(場所)」で、このメディアサービスの主な実行場所を選択します。(下図赤枠5)メディアサービスの実行場所とは、メディアサービスがパッケージング(メディアエンコード、暗号化、配信等)で使うCPU等のシステムリソースや、関連付けられたストレージリソースの実態を世界中のどこのリージョン(地域)にデプロイするかを指定します。
続いて「Storage Account/Please select a storage account(ストレージアカウント/ストレージアカウントを選択してください)」をクリックします。(下図赤枠6)
「ストレージアカウントの選択」サブウィンドウで「+新規作成」をクリックします。(下図赤枠1)
続いて「ストレージアカウントの新規作成」サブウィンドウで「名前」欄にストレージアカウント名を入力します。ストレージアカウント名に使用できる文字種は半角アルファベット(大文字、小文字)と数字のみです。ストレージアカウント名は配信時に視聴者に開示されるURL等には含まれませんので、ご自身で見て解る名前であれば何でもOKです。
最後に「OK」をクリックします。(下図赤枠3)これにより、Azure上へのメディアサービスとストレージリソースのデプロイが開始されます。
画面右上のベルのアイコンをクリックすると、各リソースのデプロイ状態を示すインジケーターが表示されます。(下図赤枠)
1分程でインジケーターの表示がリソースのデプロイ完了を示す内容に変わります。
ダッシュボード中央の「すべてのリソース」に、上記で作成したメディアサービスとストレージリソースが表示されます。(下図赤枠)もしこれらのリソースが自動的に表示されない場合、ブラウザをリロードしてみてください。または、画面左側のメニューから「すべてのリソース」をクリックすれば、作成済みのリソースを一覧表示することができます。
3. Azure ポータル – チャンネルとイベントの追加
続いてライブ配信で使用するストリーミングチャンネルを作成します。ダッシュボードの「すべてのリソース」パネルで、先ほど作成したメディアサービス名をクリックします。(下図赤枠)
メディアサービスの要点サブウィンドウの上部にある「Settings(構成)」アイコンをクリックします。(下図赤枠1)
続いて「Settings」サブウィンドウでメニュー一覧の「Live Streaming」をクリックします。(下図赤枠2)
「Live Streaming」サブウィンドウの上部にある「+Quick Create(クィック作成)」アイコンをクリックします。(下図赤枠)
「Channel」サブウィンドウの「Name(名前)」欄にチャンネル名を入力します。(下図赤枠1)チャンネル名は視聴者に開示されるストリームURL等には含まれませんので、ご自身が見て解る名前であれば何でもOKです。
「Automatically start the channel after creation(作成したチャンネルを自動的に開始する)」のチェックボックスをオフにします。(下図赤枠2)これをオンのままにした場合、チャンネルの作成→チャンネルの開始→ライブイベントの作成→ライブイベントの開始までが自動的に行われます。Flash Live Media Encoder 側の設定やAzureへの接続テストなどが完了している場合はオンのまま進めても問題ありませんが、今回は一つ一つ確認しながら進めるためにオフにしておきましょう。
「Create(作成)」をクリックします。(下図赤枠3)
チャンネルの作成が完了すると、「Live Streaming」サブウィンドウのチャンネル一覧に、作成したチャンネルが表示されます。ここでチャンネル名をクリックします。(下図赤枠)
チャンネルの詳細を示すサブウィンドウが表示されます。
「STATE」はチャンネルの動作状態を示す文字列です。現在はStopped(停止中)になっていることを確認しましょう。
「INGEST PROTOCOL」はエンコーダーからAMSへソースストリームを送り込むのに使用されるストリーム転送プロトコルです。規定値は RTMP です。これは Flash Media Live Encoder がサポートしているプロトコルです。
「ENCODING TYPE」はソースストリームに対してAMS側でマルチビットレート化を行うかどうかを示す文字列です。「Pass Through(パススルー)」はAMS側でのマルチビットレート化処理を行いません。
「PREVIEW URL」はプレビュー専用のストリーム再生URLです。このURLを一般視聴者に公開することはできません。一般視聴者には後の画面に表示されるストリームURLを通じてコンテンツを配信します。
「INGEST URL」はエンコーダーからAMSへソースストリームを送り込む際に使用するサーバーURLです。Flash Media Live Encoder の設定画面で、このURLを入力します。AMSは一つのチャンネルごとにプライマリーとセカンダリーの2つのINGEST URL(サーバーURL)を提供しています。これはエンコーダーやネットワークの冗長構成によって、より信頼性の高いライブ配信を行うための仕組みです。今回はAMSの簡単なテストが目的ですので、プライマリーURLだけを使用します。
ここまでの手順でライブ配信のためのチャンネルとイベントが作成されました。次回パート3では Flash Media Live Encoder から動画と音声をAMSへ送信し、これを視聴用PCで再生する手順をご紹介します。