Azure Media Services + Flash Media Live Encoder によるライブ配信 (パート3)

パート2では Azure ポータル画面を使ってライブ配信サービスの設定を行いました。今回はFlash Media Live Encoder から AMS に接続し、ライブ動画のプレビューなどを行います。

ライブ配信の手順

パート1

  1. 準備 – Azure 無償アカウントの作成

パート2

  1. Azure ポータル – メディアサービスの追加
  2. Azure ポータル – チャンネルとイベントの追加

パート3

  1. Flash Media Live Encoder の設定
  2. Azure ポータル – ライブストリーミングチャンネルの開始とプレビュー

パート4

  1. Azure ポータル – ライブイベントの追加と開始

4. Flash Media Live Encoder の設定

始めに、FMLE (Flash Media Live Encoder) をアドビの公式 Web サイトからダウンロードしておきます。(本稿執筆時点での最新版はバージョン 3.2です。)

Flash Media Live Encoder は、Windows 版と Mac 版がそれぞれ無償配布されています。AMS でのライブストリーミングはどちらを使っても行うことができます。ただし、AMS で必須な AAC 音声エンコーダーが Windows 版には含まれていません。(Mac 版の FMLE には AAC エンコーダーが標準で含まれています。)このため Windows 版を使う場合には AAC 音声エンコーダーを別途入手する必要があります。現在のところ Windows 版で使用できる AAC エンコーダーは、MainConcept 社から有償で提供されています。Windows 版 FMLE を使う場合、事前にこれを購入(ダウンロード)してインストールしておく必要があります。

FMLE をインストールしたら、FMLE の構成ファイル(config.xml)を一部修正します。構成ファイルは FMLE のインストール先フォルダの直下(または Conf サブフォルダ)にあります。テキストエディターで構成ファイルを開き、下記の <enable> 要素の内容を “true” に変更して保存します。すでに FMLE が起動されている場合はここで再起動が必要です。

<flashmedialiveencoder_config>
  <mbrconfig>
    <streamsynchronization>
      <enable>true</enable>
    </streamsynchronization>
  </mbrconfig>
</flashmedialiveencoder_config>

FMLEを起動し、PCで有効なビデオ入力デバイス(ビデオキャプチャカードを通じて入力される外部ビデオカメラや、PCに組み込まれているカンファレンスカメラ、USB接続されたWebカメラなど)からの映像がプレビュー表示されていることを確認します。

FMLE の 「Encoding Options」タブの最上部にある「Preset」で、これから配信するライブストリームのエンコードパラメーターのプリセットを選択します。(ここでは例として「High Bandwidth (800 Kbps) – H.264」を選択して進めます。)

「Video」パラメーターの「Format」で「H.264」を選択し、すぐ右側にあるスパナのアイコンをクリックして「Advanced Encoder Settings」を開きます。「Profile」を「Main」、「Level」を「3.1」、「Keyframe Frequency」を「2 seconds」に設定して「OK」をクリックします。

「Audio」パラメーターの「Format」を「AAC」に設定します。

Video関連、Audio関連ともに、その他のパラメーターは適切な値が設定されているはずですので、そのままでOKです。

FMLE の画面右側にある「Stream to Flash Media Server」のチェックボックスをチェック-オンにします。その下の「FMS URL」欄に、AMS ポータル側で作成したライブチャンネルの INGEST URL を入力します。このURLは、FMLE でエンコードしたストリームを配信サーバーへプッシュする際のデータ送信先を示しています。AMSライブチャンネルのINGEST URL は以下の手順で確認できます。

まず、Azure ポータルのダッシュボード画面で「すべてのリソース」からメディアサービス名をクリックします(下図赤枠)

AMS INGEST URL確認1

次に、「Settings」サブウィンドウで「Live Streaming」をクリックします。(下図赤枠)

AMS INGEST URL確認2

「Live Streaming」サブウィンドウには、パート2で作成したライブ配信チャンネルが表示されます。その「INGEST URL」欄に表示されているURL文字列を、FMLE の「FMS URL」欄にコピー&ペーストします。

AMS INGEST URL確認3

FMLE の「Stream:」欄に “stream%i” と入力します。

これで FMLE 側のパラメーター設定は完了です。(まだ、「Connect」や「Start」をクリックしないでください。)

5. Azure ポータル – ライブストリーミングチャンネルの開始とプレビュー

続いてAzureポータル側でライブストリーミングチャンネル名をクリックして、チャンネルを起動(開始)します。(下図赤枠)

AMSチャンネル開始1

次に「Start」をクリックします。(下図赤枠1) 開始確認が表示されたら「はい」をクリックします。(下図赤枠2)

AMSチャンネル開始2

チャンネルの開始には1分間ほどかかります。チャンネルが正常に開始されると「STATE」が “Running” という表示になります。

AMSチャンネル開始3

これでライブストリーミングチャンネルが起動(開始)されました。

FMLE 側で「Connect」ボタンをクリックし、AMSのライブストリーミングチャンネルへの接続が成功したことを確認します。

最後に、画面最下部の「Start」をクリックしてビデオのエンコードとAMSへのデータ送信を開始します。

FMLE から AMS へ送信されているライブビデオストリームは、Azure ポータル側でプレビューすることができます。(この時点ではまだ視聴者ユーザーには配信されていません。)

次回パート4では、視聴者ユーザーへの配信手順をまとめる予定です。

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