節分も立春も過ぎたけれど・・・

暦の上ではもう春みたいですが、
まだまだ寒い日が続きますね。

皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
お体には気をつけてご自愛ください。

そんなこんなでお待たせしました!
前編発表からだいぶ時間がたってしまいましたが、、

【インヌ国際映画祭授賞式】後編
5位~1位までのランキングを発表します!
(インヌ国際映画祭とはフランスのカンヌの近くにあるんだかないんだかわからない、小さくも志しは大きな島で行われる国際映画祭です。授賞式と言っても特に何かあげたりはしません、ランキングを発表するだけです。)

第5位
「ハドソン川の奇跡」
監督は俳優としても超一流&超有名なクリント・イーストウッド。実際にニューヨークのハドソン川で起きた飛行機不時着水事故を映画化した作品です。邦題が邦題だけに奇跡の物語だと思われがちですが、まったく違くて”自分が行ったことは果たして正しかったのか”と自問自答する男の物語です。白髪のトム・ハンクスことシロ・ハンクスの”常に冷静いなければ”という芝居が絶品で、タイトルは『stay cool』『be cool』でも良かったかもしれません。そして最後に言う副操縦士のジョークが最高に言いたいです。

監督
クリント・イーストウッド
出演者
トム・ハンクス、アーロン・エッカー、ローラ・リニー

第4位
「ふきげんな過去」
監督は劇作家、小説家、脚本家としても活躍している前田司郎さん。今回は『ジ、エクストリーム、スキヤキ』に続く2作品目。やはり前田司郎さんの台詞、そしてエピソード力は抜群でいまダントツに面白いです!!映画冒頭の二階堂ふみさん演じる果子が発する一言目の言い方からグッとひきつけられます!どの役者の方も素晴らしいのですが特にカナ役を演ずる山田望叶ちゃんが凄いのです!!そしてサトエ役を演ずる兵藤公美さんの途中からあらわになるおみ足が美しいのなんのって!お2人を確認するためだけに見るのもアリなんではないでしょうか!!

監督
前田司郎
出演者
小泉今日子、二階堂ふみ、高良健吾、梅沢昌代、板尾創路 ほか

第3位
「ダゲレオタイプの女」
出ました!クロキヨこと黒沢清さん。最近では『岸辺の旅』『クリーピー 偽りの隣人』と話題作を次々と撮られていますね。そして今作品で遂にオールフランスロケ、外国人キャスト、全編フランス語で撮り上げました!今までのどの黒沢作品とも違うけれど『LOFT』『叫び』『CURE』など、どの黒沢作品にも通ずる作品です。あの階段落ち、母親のあの現れ方、ピストルを持つあの瞬間、そして人間が人間ではなく物、物質になるあの瞬間、そのすべてカメラに収められています。そしてスクリーン映し出される度、息を呑み、やった!と歓喜しました!(さらに映画を見終わったあといきなり女の人に話しかけられ驚いたっていう出来事も含め強く印象に残る作品です。)

監督
黒沢清
出演者
タハール・ラヒム、コンスタンス・ルソー、オリヴィエ・グルメ

第2位
「この世界の片隅に」
監督は片渕須直さん。『アリーテ姫』『マイマイ新子と千年の魔法』などの作品を撮っています。この作品の凄いところは全てにおいてユーモアがベースになっているというところです。舞台は主に戦時中の広島です。そのため誰もが知っているであろう人類史上最大の悲劇と言っても過言ではないあの出来事も起きます。それでもユーモアを忘れずに生きていく姿に強く心を打たれます。そして何と言っても主人公のすずの声を演じたのんさんが素晴らしい。彼女はもう能年ではありません、のんです。この世界の片隅に、この作品を作ってくれてありがとう。とにかく見てほしい作品です。

監督
片渕須直『アリーテ姫』『マイマイ新子と千年の魔法』
出演者
のん,細谷佳正,稲葉菜月,尾身美詞,小野大輔,潘めぐみ,岩井七世/澁谷天外 ほか

第1位
「淵に立つ」
監督は『歓待』『ほとりの朔子』『さようなら』の深田晃司さん。やはり去年は『淵に立つ』です。2016年は『淵に立つ』イヤーと言っても良いでしょう。映画館で1番衝撃を受けた作品です。詳しくは以前書いたブログをご覧ください ⇒ http://emotionalbits.com/archives/324 (最後の最後にいきなり横着になりましたが・・・)

監督
深田晃司
出演者
浅野忠信、筒井真理子、古館寛治、大賀 ほか

これにて【インヌ国際映画祭授賞式】を閉幕したいと思います。
長々とお付き合いいただきありがとうございました。

最後に今年公開ではありませんが、
アピチャッポン・ウィーラセタクン監督の『ブンミおじさんの森』との出会いは大きな出来事でした。

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